2020年4月1日スタート!民法(債権法)改正
日本では、ずいぶん前から話題になっていた民法(債権法)改正が、いよいよ施行されました。今は世の中がそれどころではないので、影薄いですけど💦
その目玉の一つに、消滅時効に関する改正があります。
このブログは「海外ビジネス」がテーマですので、この改正の中身については細かく触れません。外国法との比較でポイントになる部分だけ、おさらいしますね。
まず、ご存知だと思いますが、「消滅時効」というのは、
- 債権者が一定期間権利を行使しないことによって債権が消滅するという制度をいいます。長期間が経過すると、証拠が散逸し、債務者であるとされた者が債務を負っていないことを立証することも困難になるためこのような制度が設けられていると言われています。
(☝ わかりやすかったので法務省の資料の説明をママ載せました( *´艸`))
日本の新しい時効制度のポイント
新しい法律(今の法律)では、消滅時効は、
原則:権利を行使することができることを知った時から5年
となっています。
契約によって発生する請求権の場合、例えば売買代金や業務委託料などは支払日が決められていますので、その支払日の翌日から5年ということになります。
つまり、何もせずに5年が経過してしまうと、債務者は「時効だからもう払わない」と言えてしまいます(「時効の援用」といいます。)。
5年が経過する前に、やるべきことをやっているれば、時効の完成を遅らせたり(完成猶予)、一からスタートさせたり(更新)することができます。
典型的には、裁判外で督促して、それでも支払ってこなければ裁判する、という流れになりますので、その場合のルールをピックアップします。
民法150条(催告による時効の完成猶予)
1 催告があったときは、その時から6箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
2 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、前項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。
民法147条(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)
1 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から6箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
①裁判上の請求(※②以下略)
2 前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。
ちなみに、保証人がいるケースもよくありますが、その場合は、
民法457条(主たる債務者について生じた事由の効力)
1 主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる。
というルールがあります。
以上をまとめると、日本の法律が適用される場合、債権者としては、
- さいあく、5年が経過する前に(少なくとも主債務者には)督促して速やかに裁判を起こしましょう!
ということになります。
これが、外国の法律が適用される場合には全く違うルールになるのです。
次回以降、外国の時効制度について説明します📚
<Maki Shimoji>