ミャンマーの法体系
ミャンマーの法律について、そもそも日本ではあまり知られていないと思いますので、まずは簡単に特徴をお話ししておきます。
ミャンマーでは、その歴史的背景が影響して、法体系は非常に複雑なものになっています。
王朝時代からイギリスの植民地となり、さらに独立、軍事クーデター、民主化
といった激しい変遷を辿るとともに、法体系も複雑化していきます。
今でも重要な位置にあるのは、「ビルマ法典」(The Burma Code)という、「インド法典」から移植されてつくられたものです。これは、イギリス植民地時代(1862年~)からある、とても古いものです。
この「ビルマ法典」は全部で13巻から成ります。収録される法律も、200個以上にのぼり、分野も多岐に亘っています。
私たちのビジネスに関連の深い、民商法や渉外関係の制定法もここに組み込まれています。
「ビルマ法典」に収録される法律は、一部改廃されたものはあるものの、未だに維持され使われているのです。
一方で、社会主義時代以降(1962年~)になってからは、「ビルマ法典」と関係なくつくられた法律も多くありますし、家族法の分野では、「ビルマ法典」以前から存在する慣習法が重視されていたりもします。
未収金の管理に関連する重要な法律
さて、そのように全体像がわかりにくいミャンマーの法律ですが、未収金が発生する場面において関わりの深い法律をいくつかピックアップします。
「ビルマ法典」に収録されている、
- 契約法(The Contract Act)(第9巻収録)
- 物品売買法(Sales of Goods Act)(第10巻収録)
- 制限法(Limitation Act)(第12巻収録)
そして、
- 特定救済法(The Specific Relief Act)
等が挙げられます。
消滅時効に関するルールは、このうちの制限法(Limitation Act)に定められています。
では、次回は、消滅時効について、具体的なルールをみていきましょう📚
<Myo Thant Swe / Maki Shimoji>