昨年から引き続き、世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るっています。長期間にわたり不安なお気持ちで過ごしていらっしゃる方も多く、また実際に影響は各方面の数字に表れ、会社の存続や生活に直結する危機を感じることもあったのではないでしょうか。

そのような中にあって、数字は一時的に落ち込んだものの、新しい取組みをスタートさせ乗り切り、それをチャンスへと繋げている会社様も確実にいらっしゃいます。それを可能にしたのは、一つには、危機に直面したときの臨機応変な対応力の高さが挙げられるかと思います。ただし、それだけではなく、日頃から視野を広く捉え事業のポートフォリオを意識した経営を行ってきたことや、日常的にリスクへの配慮を欠かさない用心深さを持ち合わせていたことが関係しているのではないかと考えています。

当事務所のクライアントの中にも、会社の規模に比して予防法務に関するご相談を継続して多くいただく経営者がいらっしゃいます。日頃から、とる必要のないリスクは確実に避けるという姿勢で臨んでいますので、有事の際にも想定外の事象に資金を逼迫させられることなく、大胆な動きをとることができているのだと思われます。過去の経験や常識から生み出された思い込みからは一度離れ、地に足のついた想像力を武器に抱え、目に見えない体力をつけることが重要です。

弁護士は、リスクの発見と回避のプロフェッショナルです。皆様におかれましては、ぜひ、信頼されている弁護士とコミュニケーションを密にして、底力を蓄えていっていただければと思います。

2021年4月

下地 麻貴