消滅時効の基本ルール

前回、中国では消滅時効に関して一見矛盾する基本ルールがある、というお話をしました。

見た目が矛盾しているので、実務でも、

一体どちらを適用したらよいの・・・??

と、議論がなされていました。が、民法総則の施行から半年以上が経ち、

2018年7月18日に公布・23日に施行された司法解釈

最高人民法院による「中華人民共和国民法総則」の訴訟時効制度の適用に関する若干問題についての解釈>(法釈〔2018〕12号)

で、この点ようやく解決されました。

ちなみに、このタイトルには「訴訟時効」とありますが、日本でいうところの消滅時効と同じようなものとお考えください。

さきほどの司法解釈によって、無理やり、次のように整理されました。

  1. 2017年10月1日以降に消滅時効期間が起算される場合:原則3年(新法)
  2. 2017年10月1日時点で旧法律下での消滅時効期間が満了していない場合:原則3年(新法)
  3. 2017年10月1日以前に旧法下での消滅時効期間が満了している場合:原則2年(旧法)

これから契約をするという場合には、新しい法律が適用されますので、

原則3年で時効になる

と頭に入れておいていただければと思います。

消滅時効の修正(例外)

消滅時効については、「民法通則」(古い方)や、「民法総則」(新しい方)以外にも、特別な規定がおかれていることがあります。

例えば、国際取引に関連するものとしては、

契約法第129条

国際貨物売買契約紛争及び技術輸出入契約紛争により訴訟を提起し又は仲裁を申し立てる期限は4年とし・・・

があります。

こちらでは、「4年」ということになっていますが、実は解釈的にすっきりしない部分もありますので、念のため、原則ルールの3年間が経過してしまわないように、管理しておきたいところです

<Maki Shimoji>